発生する金利の利率が乱数だったらどうなるか?さすがに何の仮定もないと話が進まないので、
金利(年率)は、平均m、標準偏差σの正規乱数
という場合を論じましょう。
第i回目の利払金利(年率)は、
ri=σzi+m ---(4)
と与えられます(ここで ziは標準正規乱数)。
式(4)は年率なので、半期分、つまり年2回の利払いがある場合の各回の利率は、
ri(2)=2σ⋅zi+2m
と与えられます。一般に年N回の利払いがある場合の各回の利率は、
ri(N)=Nσ⋅zi+Nm
となります。
単利の場合
V(T)=V0+i=1∑TNri(N)=V0⋅[1+i=1∑TN(Nσ⋅zi+Nm)]
となります。
ここで「正規乱数の和は正規乱数になる」という、もはや犬でも知っている事実から、 V(T)も正規乱数であることが分かります。
分布の特徴は以下の通り。
-
平均:
E[V(T)]=V0+i∑TNNm=V0+mT
-
分散:
V[V(T)]=Nσ2⋅i=1∑TNV[zi]=σ2T
以上より、
V(T)∼N(V0+mT,σ2T)
という分布になることが判明しました。
金利が毎回変わったとしても、この式中に年間利払回数Nが含まれないので、連続極限でも同一の結果(分布)になることがすぐに分かります。
さて次は複利の場合ですが、、、これがチトややこしいので、その3に続く