確率のネタではないですが、小話をひとつ
NtRandでは"Mersenne-Twister"と呼ばれる一様乱数生成アルゴリズムが採用されています。 このアルゴリズムで生成される乱数は219937−1、実に6002桁という途方もない長い周期をもっています。
さて、この数は"メルセンヌ素数"と呼ばれる一群の数字のうちの一つで、これが"Mersenne-Twister"の語源になっています。
メルセンヌ素数とは、素数のうちで2n−1という形で書けるもののことです。 つまりMarsenne-Twisterの周期はn=19937のメルセンヌ素数です。 2001年5月現在、メルセンヌ素数は47個見つかっています。n=19937のメルセンヌ素数は24番目のものです。
1644年、マラン・メルセンヌさんが n=2,3,5,7,13,17,19,67,127,257がメルセンヌ素数であると主張しました。 残念なことに彼はn=61,89,107を見逃していました。
更に残念なことに、、、
1903年、アメリカで行われた数学会でフランク・ネルソン・コールなる人物が発表のため登壇しました。タイトルは「大きな数の素因数分解」。
彼はまず黒板に267を書き下しました。
267=147,573,952,589,676,412,928
そこから1を引き、そして次に
193,707,721×761,838,257,287
の計算を行いました。その結果は、、、147,573,952,589,676,412,927! その間彼は一言も口をきかず、静かに席に戻りました。その後会場は万雷の拍手が沸いたそうです。
メルセンヌさんの主張から250年以上経って、267−1が素数でないことが分かったのです。
今ではn=127も素数ではないことが分かっています。